CLIENT INTERVIEW

導入企業インタビュー

2025.2.25
製造業

【鹿児島金属株式会社】中小企業にとってSBT認定取得が急務に。ファストカーボンで脱炭素の取り組みが一気に加速

鹿児島金属株式会社
鹿児島金属株式会社
事業内容
金属パーツ・特殊締結部品・特殊ボルトナット類の製造
企業サイト
https://www.kagoshima-metal.co.jp/

鹿児島金属株式会社は、金属パーツや特殊締結部品、特殊ボルト・ナット類の製造を手掛けている企業です。
創業から50数年を経た今、同社が目指すのは次世代への継承と「環境」との関係性。環境負荷を軽減し、持続可能なモノづくりのあり方を追求し続けています。
ISO9001およびISO14001の認証取得による、品質管理と環境保全への積極的な取り組みに加え、同社は2024年にファストカーボンを導入しました。その背景について、鹿児島金属株式会社の松岡様にお話を伺いました。
(取材日:2025年2月7日 インタビュアー:ディエスジャパン広報)

課題
脱炭素化で競争力強化と環境責任を果たすため、SBT認定取得が急務

鹿児島金属様の事業内容について

松岡様:当社は1970年(昭和45年)に創業し、現社長が就任して約25年が経ちました。主力製品はナット、ボルトといった工業製品に欠かせない金属部品で自動車、家電、機械、工具、建築、土木など多岐にわたる業界向けに製品を提供しています。

金属パーツや特殊締結部品、特殊ボルト・ナット類の製造

私達の生活の様々なところに使われている、鹿児島金属様の金属部品。自動車や油圧機器、重電機器、産業機械、建設機材といった機器類はもちろん、事務機器や家具、家電など、暮らしの身近なところにも、鹿児島金属の製品が使われています。

当社は1970年(昭和45年)に創業し、現社長が就任して約25年が経ちました。主力製品はナット、ボルトといった工業製品に欠かせない金属部品で、自動車、家電、機械、工具、建築、土木など多岐にわたる業界向けに製品を提供しています。

冷間圧造技術という、常温のままで金属を圧力だけで変形させる技術を駆使した、高精度かつ高品質な製品づくりが当社の強みです。この製法を用いることで、製造途中に無駄な金属の削りカスを出すことなく、かつ強度を保ったまま高品質な製品を製造できます。

冷間圧造技術のイメージ

                                                                                            冷間圧造技術のイメージ

本社屋に隣接する羽曳野工場を始め、富田林工場、鹿児島県の阿久根工場を構え、材料の仕入れから設計・加工まで一貫対応できる体制を整えています。これにより、高精度かつ高品質な製品づくりを実現しています。

鹿児島金属様ファストカーボンの導入きっかけ

ファストカーボン

松岡様:昨今、取引先からCO2の使用データや削減手法の提出を求められることが増えてきました。特に大手企業はゼロカーボンに向けた取り組みを強化していますが、彼らだけでは2030年の削減目標を達成することはできません。そのため、サプライチェーン全体に削減の要求が広がっています。

さらに、脱炭素に取り組んでいることが行政の入札の要件にも関わってくるようになっているのも、中小企業にとっては影響が大きいですね。

当社では2022年にSDGs委員会を立ち上げ、環境負荷を軽減し、持続可能なモノづくりのあり方を模索してまいりました。その中でも急務だと感じていたのが、SBT認定の取得です。ファストカーボンを導入する以前は、環境省が提供しているエクセルの算定ツールを使っていましたが、SBT認定を申請するためには、第三者機関が妥当性を確認をしているツールの利用が必要不可欠でした。

そんな時に、以前からお取引のあったディエスジャパン様からファストカーボンをご紹介いただき、2024年7月に導入しました。

CO2排出量算出のシステムには様々なサービスがありますが、他のサービスと比較検討はされたのでしょうか。

松岡様:いいえ、他に検討したサービスはありませんでした。信頼のおけるディエスジャパン様からのご紹介だったこと、そして他社に先駆けてご提案いただいたことから、ファストカーボンの導入を決めました。

実際にファストカーボンを導入されてみて、何かご苦労はありましたか?

松岡様:もともと省エネ法の定期報告書作成のためにデータを集める体制は整っていました。そのため、ファストカーボンの導入自体は比較的スムーズでした。操作方法は一から学ぶ必要がありましたが、そちらもディエスジャパン様に丁寧にサポートいただき、苦労を感じたことはありません。

また、SBT認定の申請は自社で行ったのですが、いろいろとディエスジャパン様にサポートしていただき、本当に助かりました。英語に精通した者が申請作業を担当したので、英語のやりとり自体は問題なかったのですが、やはりなかなか難しい部分も多く、ディエスジャパン様のサポートがなければもっと申請が大変になっていただろうと感じています。今は無事に申請を終え、ホッとしているところです。

データを取得する頻度はどのように決めていらっしゃるのでしょうか。

松岡様:月に1度の頻度でデータを把握しています。現状はSCOPE2までを算出しているので、10分もあれば作業は終わります。今後SCOPE3まで把握しないといけない段階になれば、データ収集が大変になるので、ファストカーボンのようなシステムを使うことで、より効率的に算出できるようになると思います。

脱炭素に向けた、今後の取り組みについて

松岡様:現在、当社のクリーンエネルギー使用率は約10%です。データ上、CO2排出の大半は電力に由来しているため、RE100を達成できれば大幅な削減が見込めます。

御社が取り組まれているSDGsレポートのように、SDGsに関する情報開示をしている中小企業はまだまだ少ない印象です。こちらの取り組みはどのようにスタートしたのですか?

松岡様:SDGs委員会の活動を見える化しておきたいという意味合いもあり、前期1年分の取り組みをレポートにまとめました。

この取り組みについて一定の評価はいただいています。銀行や取引先からの評価が変わったなど、経営環境に影響するような変化はまだ実感できていませんが、今後もレポートを出し続けていくことで評価に結びつけばと考えています。来期以降のSDGsレポートには、ファストカーボンで見える化できたCO2排出量も載せていく予定です。

鹿児島金属様のSDGsレポート~52期実績報告書~はこちらからご覧いただけます。
https://www.kagoshima-metal.co.jp/wp-content/uploads/2024/05/441f251c2c8009cbb17f6c1537f88945.pdf

今後はSCOPE3の把握も進めるとのことですが、鹿児島金属様はどういった課題をお持ちなのでしょうか?

九州の工場では、素材の調達から製品の加工まで一貫対応が可能ですが、大阪の工場では一部の工程を複数の協力工場に依頼しています。そのため、CO2削減や管理の面で、外部パートナーにどこまで対応を求めるべきかという課題があります。

また、従業員のほとんどが車通勤である点も環境負荷の一因です。ただし社長からSDGs推進の方針が示されて以降、社内の協力体制は徐々に整ってきました。

これまでISO14001の基準に沿って取り組んでいた時はまだ十分な連携が取れているとは言えませんでしたが、ファストカーボンの導入、SBT認定の取得といった脱炭素に向けた取り組みが加速していった印象があります。今後さらに取り組みを強化していきたいと考えています。

同業他社向けファストカーボン導入メリット

会計データだけで簡単にCO2排出量のデータが取れるので、データの取得はファストカーボンに任せ、自分たちは具体的な策を考えることに時間が割けます。

業界や取引先にもよりますが、中小企業にとってSBT認定は急務になりつつあります。なるべく早期に取得するのが最善ですし、そのためには、妥当性について第三者機関の確認を受けており、信頼性の高いファストカーボンを利用するのが良い方法だと実感しています。

━━ご協力いただき、ありがとうございました。

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