【株式会社動力】ファーストカーボン導入で進んだ脱炭素経営。SBT認定 × Synesgy「A評価」への道
- 事業内容
- 太陽光パネルの施工・販売、太陽光パネル設置用架台の開発、蓄電池の販売、物品賃貸業、古物営業法に基づく古物商など
- 企業サイト
- https://www.doryoku.co.jp/
株式会社動力は、太陽光パネル関連事業を主軸とする企業です。販売・施工、技術開発、全国サポートの3つを追求し、次世代エネルギーの種を日本中に蒔いています。
日本中の家庭に無限の電力を届けるため、エネルギー社会の未来に関わる事業を広く展開しています。
同社は2025年2月にファーストカーボンを導入した後、同年7月には中小企業版SBT認定を取得しました。Synesgy(シネスジー)評価ではB評価を取得し、目下A評価取得への取り組みを進めています。
その背景について、代表取締役社長の鈴木様と管理部の池田様にお話を伺いました。
(取材日:2025年11月4日 インタビュアー:ディエスジャパン広報)
株式会社動力の事業内容
鈴木様:当社は環境商材の販売施工を目的とした「株式会社スズキ太陽技術」として、2008年(平成20年)に創業しました。
2016年(平成28年)、旧TAKグリーンサービスと大香電工を合併したのを機に、商号を現在の「株式会社動力」へと変更しています。
現在の主な事業内容は、太陽光パネルの施工・販売や、蓄電池の販売、あとは太陽光パネルを屋根に取り付けるための架台の開発です。
太陽光パネルは脱炭素に貢献する発電として注目されていますが、当社は安全で施工しやすい太陽光パネルの取付架台を施工・販売しています。

2023年(令和5年)には国内住宅用の太陽光電池ラックレスシステムを開発、翌年にはビル屋上設置型の太陽光発電用取付架台を発売するなど、ゼロ・エネルギー・ハウス設備のトータル施工を掲げています。
ほか、ケミカルリサイクルを行う化学リサイクルプラントである熱分解油化・炭化再生資源回収装置『パイロリナジー』など、環境に貢献する事業を行っています。
ファーストカーボンの導入について
ファーストカーボン導入のきっかけ

鈴木様:きっかけは、ディエスジャパン様からの紹介です。当社は太陽光パネルを扱っていますので、もともと事業として脱炭素推進には関わっていたのですが、自社のCO2排出量の算定はしていませんでした。
太陽光に携わる会社として、今後どうあるべきか考えていた時にディエスジャパン様と出会い、迷うことなくファーストカーボンの導入を決めました。
ファーストカーボンの使い勝手
池田様:データ入力やテンプレートの作成など、最初は分からないこともありましたが、適宜アドバイスをもらいながら進められたので、すごく時間がかかったという印象はありません。
操作も慣れれば問題なく、今では月1回の集計も10分くらいで終わっています。
また、SBT認定申請のために過去5年分のCO2排出量の集計もしましたが、会計データから算定できるので、2ヶ月もかからず集計をまとめることができました。
ディエスジャパン様から「会計データでCO2の排出量を算定できる」と聞いてファーストカーボンの導入を決めましたが、本当に便利ですね。
ファーストカーボンの導入で分かったこと
池田様:ある程度想像はしていましたが、当社のCO2排出量の多くは車と電気だということが分かりました。
数値が見える化したことで、対策に本腰を入れないといけないな、と強く思うようになりましたね。
SBT認定取得について

株式会社動力は2025年2月にファーストカーボンを導入した後、申請への準備を進め、2025年7月にSBT認定を取得しました。
SBT認定申請時のサポートについて
池田様:SBTの申請に関しては、バックキャストテクノロジー総合研究所様に全面サポートしていただきました。
私自身、必要なものは理解しながら進めていたのですが、英語での申請というのが難しくて。すべて自力でやるとなると、かなり苦労しただろうなと思います。
Scope3への取り組みについて
池田様:当社が取得したのは中小企業向けSBTなので、現在はScope2まで算定しています。Scope3は努力義務とされていますが、今後取り組みを進めていきたいと考えています。
ただ、今すぐすべての項目に対応するのは難しいため、削減に向けて動きやすそうなものは何か、数値の見える化も前提に検討していきたいと思っています。
Synesgy(シネスジー)評価へのチャレンジ

鈴木様:当社はファーストカーボンの他に、Synesgy(※)も活用し、当社のESG経営について評価を受けました。
ディエスジャパン様がA評価だと聞き、「うちもA評価がほしい」と思ったのがきっかけです。取引先から可視化の要請があったわけではなく、自主的に導入を決めました。
※Synesgy:企業とサプライチェーンが、持続可能な開発目標(SDGs)を達成するためのESG評価グローバル・デジタル・プラットフォーム
A評価取得に向けて
鈴木様:現在、当社の総合評価はB評価なのですが、来年はA評価の取得を目指しています。
Synesgyでは環境とガバナンスに関する指摘が入ったのですが、環境に関しては今までCO2排出量の見える化をしてこなかったのが原因のようでした。
今はSBT認定を取得し、排出量データも公表しているので、次にSynesgyを申請した時はクリアできると思っています。
ガバナンスに関しても、Synesgyのガイドラインに沿って一つずつ改善を進めている状況です。
課題としては、せっかくESG経営に関する取り組みをしているものの、広報活動に活かせていないことです。
現状、ホームページのCSRページの情報はまだ十分ではないため、業績や報告書などを載せていこうと考えています。
Synesgyに関するサポートについて
鈴木様:Synesgyに関しては、運営元のCRIF(クリフ)社から非常に有意義なアドバイスをいただいています。
ガバナンスの部分をどう公表していくのか、どれだけ取り組めるのか、A評価の取得に向けて具体的な施策案のご提案もうけたので、実現に向けてがんばっているところです。