CLIENT INTERVIEW

導入企業インタビュー

2024.11.8
建設業

【高田機工株式会社】ファストカーボン導入でCO2見える化と業務効率化を実現、SBT認定取得で環境省資料に社名掲載

明石海峡大橋 高田機工
高田機工株式会社
事業内容
・道路橋、鉄道橋など鋼橋の設計、製作、架設  ・ビル建築、学校体育館など鉄骨の設計、製作、架設  ・鋼橋上部工の床版、舗装工事、標識、防護柵などの設置工事
企業サイト
https://www.takadakiko.com/

大阪府大阪市に本社を構える高田機工株式会社(以下、高田機工)は、1922年から続く橋梁鉄骨メーカー。「高い技術」「不断の努力」「豊かな未来」を社是に、橋梁事業と鉄鋼事業を中心にして展開してきました。
2050年カーボンニュートラル社会の実現に向け、国(国土交通省)も建設現場におけるGHG排出量削減に向けた取り組みを強化しています。

脱炭素化が企業の競争力を左右する重要な経営戦略となる中、同社がファストカーボンを導入した理由や導入後の変化などを伺いました。
(取材日:2024年10月17日 インタビュアー:ディエスジャパン広報)

課題
CO2排出量計算をExcelで行っており、排出係数の更新作業が担当者の負担になっていた。

高田機工様の事業内容について

高田機工様:当社は橋梁鉄骨メーカーとして、道路橋や鉄道橋など鋼橋の設計・製作・架設をはじめ、鋼橋上部工の床版、舗装工事、標識、防護柵などの設置工事を手掛けています。

明石海峡大橋などの長大橋や、六本木ヒルズ、虎ノ門ヒルズ、大阪ステーションシティといった大規模プロジェクトにおける鋼構造物の施工にも携わってきました。
創業以来100年以上にわたり、豊富な実績と高い技術力で安全・安心なインフラ整備に貢献しています。

高田機工様
引用:https://www.takadakiko.com/products/bridge/index.html

さらに近年では、長年培ってきた技術とノウハウを活かし、IoTやAIといった先進ツールも積極的に活用することで、より安全で効率的な施工を実現してきました。

地球環境保全への意識の高まりを受け、サステナブルな社会の実現に向けて、環境負荷低減への取り組みも強化しています。

高田機工様がファストカーボンを導入し、CO2排出量の算出を始めた経緯

高田機工様:ファストカーボン導入のきっかけは、当社も加盟しているOZCaF(OSAKAゼロカーボン・スマートシティ・ファウンデーション)を通じて、CO2排出量算出ソフト「ファストカーボン(※)」を利用できることを知ったことからです。(※導入当時は旧製品名の「環進帳」)

「ファストカーボン」導入前は、和歌山工場のみでExcelを使ってCO2排出量の簡易計算を行っていました。これはあくまで社内資料用で、外部への開示は想定していませんでした。

国も2050年カーボンニュートラル社会の実現に向け脱炭素への取り組みが強化されるなかで、当社も公的に認められた算出方法を用いた情報開示の必要性を感じるようになったんです。

ただ、従来のExcel管理では排出係数のアップデートを手作業で行わなければならず、担当者の負担が大きいことに加え、複数部署にまたがるデータ収集も煩雑で課題を感じていました。

ファストカーボン導入後の変化

高田機工様:ファストカーボン導入後、SCOPE3※の重要性を再認識しました。
SCOPE3(※)は、サプライチェーン上流における間接排出量を指し、建設業では特にその排出量が大きいため、企業全体の環境影響を測る重要な指標となります。

多くの企業がサステナビリティ戦略においてSCOPE3を重視しており、当社もファストカーボン導入により精緻な排出量把握が可能となりました。
(※企業の温室効果ガス排出量の分類のひとつで、サプライチェーン全体における間接的な排出を指す。)

ファストカーボンは、日常業務で使っている会計データをもとにCO2排出量の算出が可能ですが、当社ではCO2排出に係る物量データを直接入力して、より正確な排出量を算出しています。

これを実装するために、ファストカーボン導入当初、全国にある工事現場から電力使用量、燃料使用量といったデータを収集するのに2ヶ月近くかかりました。その甲斐あって、今では全社のCO2排出量を「ファストカーボン」で一元管理できています。

SCOPE3の算出では物量データが出せないものもあります。このような場合は、会計データにある購入金額をそのまま活用できる「ファストカーボン」がとても便利だと思います。

2024年2月に中小企業版SBT認定を取得

SBT_Logo

高田機工様:ファストカーボン導入をきっかけに、CO2排出量の見える化ができ、中小企業版SBT認定を取得できました。SBT認定を取得した企業として、環境省の案内資料(※)に当社の社名を掲載いただけたことは、当社のブランディング向上にもつながっているのではないでしょうか。
(※環境省「SBT(Science Based Targets)について」)

SBT認定取得にあたっては英文での申請書類作成やSBT事務局とのやり取りのハードルが高かったのですが、OZCaFにもサポートいただき、大変お世話になりました。申請準備から認定取得までわずか1ヶ月という短期間でSBT認定を取得できたのは、OZCaFのサポートのおかげです。

脱炭素に向けた今後の取り組みについて

TKDロゴ

2030年までにCO2排出量を46%削減、2050年にはカーボンニュートラルを実現することです。目標達成に向け、和歌山工場への太陽光発電設備の導入(来春に稼働開始予定)や再生可能エネルギーの利用の検討を進めています。

社内に設置したサステナビリティ委員会を中心にこれらの施策ロードマップを作成し、推進しているところです。今後、国交省を中心に建設業の脱炭素化はますます加速化すると思いますので、当社がリーディングカンパニーとして存在を示していきたいです。

ご協力いただき、ありがとうございました。

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