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2025.8.3
気候変動

気温上昇の原因を簡単に解説。実は身近なアレだった

気温上昇の原因を簡単に解説。実は身近なアレだった

「気温上昇の原因はCO2だ」。これは事実ですが、話はそれほど単純ではありません。

実は、CO2よりも短期的に強力な影響力を持つ「別のガス」があり、その削減こそが、温暖化を食い止める鍵として今、世界で注目されています。

この記事では、気温上昇の最新の科学的な知見を基に、メカニズムと原因の正体を解説します。

気温上昇の基本メカニズム

地球の気温は、太陽から届く熱と、地球から宇宙へ逃げる熱のバランスで決まります。

大気中にある「温室効果ガス」は、宇宙へ逃げる熱の一部を吸収し、地球を暖める「保温材」のような役割を果たしています。

このガスが適量であれば、地球は生物が住みやすい温度に保たれます。

しかし、人間活動によってこのガスが増えすぎた結果、熱が宇宙に逃げにくくなり、地球全体の気温が上昇しています。

これが温暖化の基本的な仕組みです。

CO2計算ツール 会計データ

温暖化の主犯「CO2」と意外な共犯者「メタン」

温室効果ガスには複数の種類がありますが、特に重要なのが「二酸化炭素(CO2)」と「メタン(CH4)」です。

二酸化炭素(CO2)

言わずと知れた温暖化の最大の原因です。石油や石炭の燃焼で大量に発生し、一度排出されると数百年以上も大気中に留まります。

長期的な気候を安定させるには、CO2の削減が絶対に必要です。

メタン(CH4)

ここからが重要なポイントです。メタンはCO2に次いで排出量が多いガスですが、温暖化させるパワーが桁違いに強力です。

100年間の影響でCO2の約28倍、特に排出後の20年間に限れば80倍以上の熱を地球に閉じ込めます。

なぜ「メタン削減」が今、重要なのか

メタンは強力ですが、大気中に留まる期間(寿命)が約12年と短いのが特徴です。これは非常に重要な意味を持ちます。

寿命が長いCO2の削減効果は、ゆっくりと時間をかけて現れます。

一方、寿命が短いメタンは、排出を減らせば、温暖化を抑制する効果がすぐに現れます。

そのため、長期的なCO2削減と並行して「メタン削減」を進めることは、短期的な気温上昇のペースを鈍らせるための、最も効果的な戦略の一つとされています。

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メタンの大きな原因は、私たちの「食」にあった

では、これほど強力なメタンはどこから来るのでしょうか。

エネルギー分野からも発生しますが、実は、私たちの食生活と深く関わる「農業」と「廃棄物」が大きな発生源です。

1. 牛など家畜のげっぷ

牛などの家畜は、消化の過程で大量のメタンを「げっぷ」として排出します。

世界中で牛肉や乳製品の需要が増え、飼育頭数が増えたことで、このメタン排出が地球規模の問題となっています。

2. 生ゴミなどの食品ロス

家庭や店舗で捨てられた食べ残しや生ゴミ。これらが埋立地で分解される際にも、メタンが発生します。

日本だけでも年間500万トンを超える食品が廃棄されており、それが温暖化を加速させる一因となっているのです。

まとめ:気温上昇の原因を簡単に解説。実は身近なアレだった

これまでの話をまとめると、温暖化を効果的に食い止めるための答えが見えてきます。

それは、「長期的な視点でCO2を減らし続ける」と同時に、「短期的な効果を狙ってメタンをすぐに減らす」という二つの戦略を両立させることです。

そして、メタンを減らす鍵は、私たちの身近な「食」にあります。

例えば、週に一日だけ肉を食べない日を設けたり、食品ロスを意識して買い物をしたりする。

そうした一人ひとりの小さな行動が、強力な温てだん効果ガスであるメタンを削減し、未来を変える確かな一歩となるのです。

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